リーフについて色々と観察している日々です。
ただ、今回の調整は…
調整とは
実際の走行用バッテリーの容量とBMS上のデータの乖離を修正する為に定期的にデータを調整するようになっているようです。
先陣の方々のブログ等を拝見して90日調整があるという情報を得ており、
⇓ 過去の記事
LeafSPY導入後初の調整日2024/12/9から3ヶ月後の3月に次の調整を身構えていたのですが、調整は確認できませんでした。
⇓ 前回の記事
そして今回2025/6/9にSOHの大幅な変化がみられたので、調整が入ったと判断したのですが・・・
今回の調整は前回とは違い、目を疑うような調整でした⊂⌒~⊃。Д。)⊃
⇓ LeafSPYのバッテリーデータ
※6/8日は走行していないのでデータはありませんが、恐らく8日18:00開始と思われます
このデータを見て、まず気になるのが調整時間の長さです。
前回は2024/12/9 18:00~24時間という調整時間でした。
今回は2025/6/9~1週間という調整期間でした…⊂⌒~⊃。Д。)⊃
調整前の2025/6/7の時点でSOH92.59%
2025/6/16の時点でSOH88.65%
1週間でSOH-3.94%で約2.5kWhの減少になります...
※2024/12/10の調整時は1日で-0.45%で、今回は1日当たり-0.56%減少しています…
ちなみにSOH-0.42%は当方の実験によって損失しています(;´∀`)
どんな実験をしたかというと・・・
実験1・・・起動による変化
まず、リーフのSOHは起動時に算出され反映されます。
その為、走行中やアイドリング状態ではSOHが変化することがありません。
実験内容としては、電源を落としてインパネが消灯してから再起動するといった動作をを繰り返してみました。
2025/6/11 12:01のデータは走行直後のデータです。
一度電源を切って、インパネ消灯確認後に起動した時SOH-0.07%(12:02)
走行直後だったということもあり、約1時間半後に再度起動SOH-0.14%(13:27)
再度電源を切って、インパネ消灯確認後に起動した時SOH-0.21%(13:33)
電源のオンオフを繰り返しただけでSOH-0.42%です…⊂⌒~⊃。Д。)⊃
⇓ LeafSPYのログデータ
この実験によって、調整時のSOHは時間・温度・走行距離とは全く関係なく計算されていることが判ります…(;´・ω・)
また、調整期間内にオフ⇒再起動を繰り返す事によってどんどんSOHは低下した事から、起動を繰り返す事でエンドレスに調整されることとなります。
実験2・・・充電による変化
充電していない場合は、電源オフオンの一晩で-0.21%の減少となっています。
2025/6/10 SOH-0.21%
2025/6/11 SOH-0.21%
充電した場合は、充電していない時よりも多くSOHは減少し、充電時間やSOCとは関係なく下記結果となっています。
2025/6/9 SOH-0.50%(3kW充電4時間)
2025/6/12 SOH-0.35%(3kW充電4時間)
2025/6/13 SOH-0.35%(3kW充電2時間)
2025/6/14 SOH-0.43%(3kW充電2時間)
2025/6/15 SOH-0.35%(3kW充電1時間)
充電しない場合は0.07%~0.21%減少しています。
充電した場合は0.35%~0.50%減少しています。
調整時のSOH算出に必要な情報は少なくとも起動回数・充電有無が含まれると言えます。
起動回数が影響しているというのは、全くの予想外でした…
調整についての考察
当方は調整はHxを基に行われていると見ています。
当方のリーフはログを取っていない購入からLeafSPY導入までの約1年間は高SOCの状態をキープした運用だったことと、ちょこちょこ乗りの為に回生ブレーキは殆ど発生しない使用方法だった影響か、Hxが1年で80%台と一般より低くなっています。
2024年12月の調整以降はHxをなるべくキープしている状態です。
⇓ 全期間のログデータをプロットしたもの
ーセル温度、背景色は青:低温、黄色:常温、肌色:高温
今のところSOCは20%以下に落としていません。
当方所有のリーフ(ZE1)2023年式では、バッテリー管理プログラムが変更されていると公表されており、恐らく2017~2022年式のMC前の年4回の90日調整(1日)から
年2回の冬季調整は1日、夏季調整は1週間という調整に変更されたのでは?と想定します。
2023年式~2025年式のリーフ所有の方が居たら情報下さい…|д゚)
毎年1週間の調整があるとすれば…MC前のリーフよりもセグ欠け早いかもです(;´Д`)
実際の運用に支障はあるのか?
⇓ Leafspyのマニュアルを抜粋して翻訳
この記述によればGidsのデータ値に80Whを掛けて、実効容量の算出を行っているようです。
つまりGidsは車両から得られるデータの一つだと判ります。
試しに長距離走行をした2025/6/7のデータで検証します。
満充電した際のGids⇒697
697×80Wh=55.76kWh
この時のSOC98.28%なのでSOC100%の最大容量を算出すると
55.76kWh÷98.28%=56.74kWh
公称容量との比率は
56.74kWh÷62kWh=0.9151≒91.51%
同日の後のデータから抽出した
Gids=466、SOC65.80%で計算した比率は91.38%
SOHデータと上記の計算式で算出したデータを全プロットしてみると、Gidsから得たデータの最大値とSOHが約1%差でほぼ同一グラフになっていることが判ります。
ーGidsから算出した容量比率
ーHx
ーSOH
SOHはGidsの上限値に補正をプラスしたものとみて良さそうです。
Gidsが車両から得られるデータとすれば、算出される容量で充放電制御されているようなので、実際の航続距離に影響が出てきます…(;´Д`)
今回SOH88.65%となってしまったので、実際に走行可能な航続距離は
62kWh×DOD90%×SOH88.65%×電費6.5km/kWh
⇒320Km程度
調整前よりも15Km程航続距離が短くなった感じですね…
調整時の対策
調整前に充電を済ませ、調整期間中は極力充電しない方が良いことになります。
また起動回数でSOHが変化するので、上がった場合は起動を繰り返しても良いですが、下がった場合は極力起動回数を減らすしかないです。
SOHの低下は、例えバッテリーに劣化が見られなくてもプログラム上の制約によって使用できなくなることを意味します。
日産の8年15万キロ保証は8セグまで割り込んだ時が条件なので、8セグまで割り込みそうなら意図的にSOHを低下させるのも有りだと思います|д゚)
8年以内に8セグまで落ちてくれれば保証で90%以上まで回復してもらえるので、7年目くらいには…
実際に8セグ(SOH66.25%以下)になった場合…
SOC上限95%・下限15%とした時の実効容量を算出すると
62kWh×66.25%×80%⇒32.86kWh
冬の電費5.5Km/kWhで航続距離を算出すると
32.86kWh×5.5km/kWh⇒180.73km
2ヶ月毎に300Km移動する用事があるので、さすがにね…
仮に夏の電費6.5km/kWhで計算しても213.59km
やはり8セグ割り込んだ時のことを考えたら100kWhくらいの容量は必要ですね…
保証云々の前に…
日産が潰れないかが心配ですけど…|д゚)
日産が倒産したら保証もクソも無いですからね…