ミナトワークスの
ハイブリッドエアーコンプレッサー
CP-1851PRO
修理後の動作試験で
連続運転をすると
爆熱となる事が判明...
msn-06s.hatenablog.jp
通常の使用方法であれば
恐らく問題はないのですが
当方のように予備タンクを接続し
連続で稼働させると
寿命を削ることになってしまう・・・
そこで今回は、
仕様変更で爆熱に対処する方法
を考えました。
まず、入力電圧はハイブリッドの為、
・DC電源:DC18Vリチウムイオンバッテリー(DC12.5V~21V出力)
・AC電源:600W電源ユニットAC115V入力⇒DC24V出力
と、AC電源の方が高い電圧で入力されていることが判っています。
メイン基板上では、トランジスタを利用したリニアレギュレーター回路で12Vの制御電源を生成。更に、10Ωの抵抗を使ってソレノイドバルブ4.8W(30Ω)と分圧し18V程度の中途半端な電圧のコイル電源を生成している。
リニアレギュレーター回路の場合、入出力間の電位差が大きい程、その差分が熱に変換される…
また、抵抗による分圧も抵抗にかかる電圧が大きい程、より多くの熱に変換される…
更に、入力電圧が高い程上記回路による発熱が多くなる為、熱により許容リプル電流マージンが低下した電解コンデンサは、モーターから発生するリプル電流を吸収できずに自己発熱が増大する。
上記の要因が爆熱の原因となっていると思われます。
その結果、リプル電圧が増大しリニアレギュレーター回路やソレノイドバルブの分圧回路の発熱が更に多くなり、回路全体が爆熱の悪循環を作り出していると言えます。
つまり、24V(AC電源ユニット)又は21V(DCバッテリー)といった入力電圧から、大半のエネルギーを熱に変換する事でムリヤリ降圧している仕様が爆熱の根本原因となっている。
入力電圧そのものを12V付近まで低下させてしまえば、発熱は激減し長寿命化に直結するのではないかと考えています(=゚ω゚)ノ
★低電圧化で熱量が低下する根拠
・トランジスタを利用したリニアレギュレーター回路の入出力間の電位差が減少し、トランジスタの発熱量が激減する。
・ソレノイドバルブの電源回路の分圧抵抗に掛かる電圧が低下し、発熱量が激減する。
・全体の発熱量の低下に伴い、電解コンデンサの許容リプル電流のマージンが向上することで温度上昇が抑えられ、本来の平滑能力を維持して熱暴走リスクが低下する。
★低電圧化は可能か|д゚)?
CP-1851PROと同等のスペックであるHG-DC5090Mでは、ブースターケーブルを接続して12Vの車載バッテリーからの運用が可能で、CP-1851PROでも12Vでの運用が可能と思われます。
⇓ HG-DC5090M初版マニュアルの仕様表

制御基板では、三相インバーター出力制御が行われている為、500Wと550Wという近い出力から考えても制御基板のRev違いはあるが、MOSFET周辺の基板パターンは同等である為、互換性は高いと思われます。
コスパ的に考えても、製品別にわざわざ違うソフトを作成するより、接続可能なバッテリーを限定させるだけでハード的な仕様変更は不要となります。
入力電圧の違いによるソレノイドバルブ(定格12V)への印加電圧
12Vバッテリーの満充電電圧(14.3V)の場合
14.3V×30Ω/(10Ω+30Ω)=10.725V
14.4Vバッテリーの満充電電圧(16V)の場合
16V×30Ω/(10Ω+30Ω)=12V・・・定格値
18Vバッテリーの満充電電圧(21V)の場合
21V×30Ω/(10Ω+30Ω)=15.75V・・・過電圧
24V(AC電源ユニット)の場合
24V×30Ω/(10Ω+30Ω)=18V・・・ヤバいくらい過電圧
CP-1851PROのソレノイドバルブが10Ωという抵抗分圧で電圧調整され、標準仕様では定格12Vに対して18Vという過電圧入力となっていた矛盾を考えると、元々12V・14.4Vバッテリーの駆動を前提に設計されていたと考えても不思議はなく、電源ユニットの電圧を18Vに設定して16Vまで電圧降下していたことから、18Vバッテリー専用に保護設定されているとは考え難いです。
★電源ユニットの選定
車載バッテリーからの電力供給を想定すると、オルタネーターの充電電圧が最大14.3V程度となる事から、電源ユニットは出力電圧が12V又は15Vで±15%程度調整できるものが妥当となります。
550W÷80%=687W
コンプレッサーの出力550Wに対して負荷率を80%程度に抑えて常用すると想定すれば、電源ユニットの容量は定格687W以上が理想ですが、寸法(215×115×50)という物理的な制約から、Amazon等で流通している中華製の600W12V50A電源で妥協するしかないです…
⇓ 中華製の格安品

内部画像を確認すると、表面実装の部品が無くスルーホールの部品ばかりで実装密度が低いです。パッと見で昭和後期~平成初期の電子機器って感じですね・・・
現状の24V600W(下の画像)と同じ寸法ですが、全般的に電解コンデンサも小さく、サーミスタや温度検出や電圧検出用のアナログICも見当たりません。
品質的にも不安があり、耐久性は論外でホントに600W出力できるかも怪しい(;´・ω・)
⇓ 現状の24V25A600W・・・

こう見ると、ハイガーやミナトワークスの電源ユニットの方が造りが良く感じます…
表面実装の部品が多く、先ほどの電源ユニットよりも実装密度が高く平成初期~中期って感じですね。
ただ、この電源も含め中華電源ユニットの大半はAC115V/230V電圧選択仕様で、日本国内のAC100V環境で使用すると入力電圧不足によって一次側回路の電流が増加し、発熱が多くなり二次側回路のリプル増大や電圧降下を引き起こすリスクがあります。
何万円もする国産スイッチング電源は、寸法的に若干無理はありますが、絶対的な信頼性と耐久性があるので、ヤフオク等で中古の国産電源ユニットを安価に購入して、電解コンデンサ交換するのもアリかなと思い、先日TDKラムダの中古を入手しました。
⇓ TDK RWS600Bの仕様

product.tdk.com
入力電圧はボルトフリーなので200Vでも可能で、変換効率も200Vの方が84%と良い。
寸法的には幅5mmと厚み11mm大きいので、物理的にコンプレッサー側に加工が必要となります。
★中古TDK RWS600B-12は使える?
ちなみに電源ユニットの出力電圧は、高負荷でドロップしても12V以下に低下させないように、12Vではなく13.8Vに調整して使用することを前提とします。
13.8Vの場合のソレノイドバルブに掛かる電圧
13.8V×30Ω/(10Ω+30Ω)=10.35V
但し、ソレノイドバルブの電源電圧は10.35Vと動作ギリギリラインとなるのが懸念点ですね。
⇓ TDK RWS600B-12の中古600W12V50Aユニット内部

MOSFETは中華電源ユニットのように筐体フレームで冷却するのではなく、アルミヒートシンクで冷却されており、中身スカスカの中華電源と違って部品の実装密度が高く、エアフローもしっかり考えられています(=゚ω゚)ノ
チョークコイルの数も多くノイズやリプル電流の低減に期待できますね♪
また、ゲートドライバ等のチップは裏面に実装されており、MOSFETやコイルからの放射熱を受けにくい構造となっているようです。
ただ、実装されている電解コンデンサの代替を選定してみたら…
25V2700μF4個(RubyconZLJシリーズφ12.5x35)・・・¥625程度x4個⇒¥2500
35V 100μF2個(RubyconZLJシリーズφ 8x13)・・・¥100程度x2個⇒¥200
63V 47μF1個(RubyconZLJシリーズφ 8x13)・・・¥100程度x1個⇒¥100
420V560μF1個(RubyconHXHシリーズφ 35x40)・・・¥3500円(;゚Д゚)…超高額
電解コンデンサの総数は少ないが、全交換すると¥6000超えとなります…
全交換しても投資金額は1万円未満なので新品を購入することを思えば遥かに安価なのだが…念の為、LCR測定(10kHz)で現状の劣化具合いを調査してみました・・・
KZM25V2700μF4個⇒9.9mF、4.0mΩ:91%
LE35V 100μF ⇒80.96μF、479.6mΩ:80.9%
※2個共同等の結果
LE63V 47μF ⇒39.91μF、483mΩ:84.9%
LXS420V560μF ⇒483.3μF、102.3mΩ:86%
実装されている電解コンデンサは、全て日本ケミコン製で定格5000~10000時間の物が使用されており、ここまで劣化していても中華電源の新品よりも信頼性は高いです。
コスパを優先して劣化の進んでいる35V100μFと63V47μFのみをRubyconのZLJシリーズへ交換し、他は現状維持でもとりあえずは問題ないと言えます(*'ω'*)
ただ・・・電圧範囲が10.8V~13.8Vとソレノイドバルブの動作に懸念があるので、念の為に電圧が1ランク上のCOSEL PBA600F-15も中古で入手しました♪
⇓ COSEL PBA600F-15の仕様


www.cosel.com
RWSよりも高級品ですが、効率はRWSより若干悪いみたいです(;´∀`)
ただPBAの方が出力電圧の可変範囲が広く、定格電流も若干大きいので14.2Vまで電圧を絞っても600W出力をカバーできるという強みがありますね(*‘ω‘ *)♪
★中古COSEL PBA600F-15は使える?
⇓ PBA600F-15の中古600W15V40Aユニット内部

制御基板が載っており内部基板を取り出すのは割と苦労します。
⇓ 制御基板を撤去した状態

RWSよりもPBAは高級品だけあって同じ寸法の筐体内にビッシリです。
AC入力側のフィルター回路はアルミ板で物理的に遮蔽されており、ノイズ及び熱対策されているみたいですね(=゚ω゚)ノ
ただ、二次側平滑されている電解コンデンサは、銅バーに接続されている為、交換の際は基板から銅バーを切り離してからコンデンサを交換する必要があり、交換難易度はかなり高いです…
念の為、LCR測定(1kHz)で現状の劣化具合いを調査してみました・・・
PW25V2700μF3個
+PW25V1000μF⇒10.44mF、11.4mΩ:87.1%
35V 150μF ⇒162.6μF、235.1mΩ:100.8%
※2個共同等の結果
10V 470μF ⇒465.6μF、153.8mΩ:99.0%
LXM420V470μF⇒418.9μF、334.1mΩ:99.7%
実装されている電解コンデンサは、日本ケミコン製とニチコン製で定格7000~8000時間の物が使用されており二次側平滑は87%と劣化が見られますが、全般的にはこのまま使用しても問題は無さそうですね。
純正の24V電源ユニットを18V設定で使用し電圧降下を起こし16Vでも動作していたことを考えれば最大電圧の16.5Vで常用も可能だと言えます。
今回はCOSEL PBA600F-15を使用して12.8V~16.5Vまでの電圧で動作検証するのが最適と思います。
12.8Vの場合の最大出力
12.8V×43A=550W ※CP1851PROの定格出力をカバーできる最小電圧設定
16.5Vの場合のソレノイドバルブに掛かる電圧
16.5V×30Ω/(10Ω+30Ω)=12.38V
コンプレッサー側の最小電圧の閾値が判れば、12Vの電源ユニットでも問題無く動作する可能性が高く、発熱抑制に期待ができます。
★国産電源ユニットを内蔵する為に改造は必須!
⇓ 電源ユニット挿入部

電源ユニットの筐体寸法が大きいので、コンプレッサー側のフレームを加工してコンプレッサー内に収める必要があります。
⇓ 国産600W電源ユニットを内蔵できるように加工したフレーム…通気口も開口

本来は本体と電源ユニット間に1cm程度のクリアランスがあるのですが、ラムダやコーセルの電源ユニットは1cm程度大きい為、本体と電源ユニットが隣接する形になり、電源ユニットの熱環境は悪くなると思われます。
低電圧化によって本体温度が低下すれば特に問題視する必要も無いと思います。
ファンの通気口はRWSに合わせて開口したのでPBAでは上下反転して納めても、若干位置がズレます・・・
電源ユニットと開口まで20mm程度の隙間があるのでエアフロー的には特に問題はありません。
★ケーブルの交換
電源交換に伴い問題となるのは、接続ケーブルの太さです。
24V⇒15Vなので、単純考えると倍の電流40Aが基板に流れることになり、ケーブルの許容電流に注意が必要であるとともに、電圧降下にも注意が必要となってきます。
6AWG :14sq相当 ・・・電圧降下を考慮するとこちら
8AWG :8sq相当 ・・・最もバランスの取れた選定
10AWG :5.5sq相当・・・許容電流的にはギリギリクリア
現状で電源配線は14AWGが使用されており、サイズ的には2sq相当で定格105℃。
基板から電源ユニット間は、特に束ねるようなことはされておらず許容電流が33Aとなり、純正の電源ユニット最大25Aで特に問題はありません。
バッテリーホルダー間は、並べて配線されている為許容電流は26Aとなり、18Vのリチウムイオンバッテリーだと容量低下と共に許容電流をオーバーします。
つまりHG-DC5090Mであれば12Vや14.4Vのバッテリー入力は純正でもNGと言えます。

今回CP-1851PROを改造するにあたり、このあたりも確実に改修しようと思うと…
最小でも耐熱シリコン200℃の12AWGケーブルが必要となります。
ただ、バッテリーホルダーへの配線は14AWGよりも太いケーブルは物理的に不可能なので、配線経路を加工し耐熱シリコン200℃の14AWGケーブルを2条並列で使用するのが現実的と言えます。
バッテリーホルダーはハイガーのバッテリーホルダーに交換し、ブースターケーブルのアタッチメントのバッテリー接続部をアンダーソンコネクタにして、物理的に逆接続不可にしてやれば、12Vバッテリーからの起動も可能となり、HG-DC5090Mを逆接続で破壊した時のような失敗は防止できます。
ここで大問題が・・・
★ロッカースイッチの定格・・・
ハイブリッド故にロッカースイッチによってバッテリー駆動とAC駆動を切替える構造となっているのですが、純正ではロッカースイッチの定格電流は30Aなので、12V/15V仕様となると容量不足となります。
12V駆動(実電圧14.4V以上)を標準対応としているHG-DC5090Mもロッカースイッチは同じものなのでそのままでも問題無しとするか、安全を考慮してするか悩ましい。
ロッカースイッチで同サイズの40A以上に対応したものが見当たらない・・・
この際AC又はDCの専用機にしてしまうか・・・(;´・ω・)?
そもそも何故HG-DC5090Mが定格30Aのロッカースイッチや14AWGといった配線で12V駆動ができていたのか・・・?
入力電圧が低くなると電流を絞って出力を抑制していたりして・・・?
★電源12V/15V化のメリット
制御電源のリニアレギュレーター回路は24⇒12V(電位差12V)から約13~15⇒12V(電位差1~3V)となるので、電位差が約10V減少する事により発熱量は激減し、標準仕様よりも雲泥の差となります。
また、ソレノイドバルブの分圧回路も11V前後の電圧となり、高電圧な標準仕様よりも遥かに定格に近づく為、コイルへの負担も軽減されます。
肝心なモーターはインバーター制御なので、回転やトルクは調整されエアーの充填時間は遅くなる可能性はありますが、低電圧化によって回路全体の熱量が激減する為、電解コンデンサのリプル電流マージンが増え、5Aのリプル電流にも耐えられる可能性が高いです。この辺は動作検証してみないと何とも言えません。
12V/15V化のメリットは意外にも大きく、長寿命化の理に適っていると言えます。
ただ懸念点があるとすれば、ソレノイドバルブが電圧降下等で10V以下となるようなことが起きれば、コイルが維持できずにソレノイドバルブが開きエアーを放出してしまうので、12V電源を使用する場合は前回修理の際に使用したセメント抵抗の抵抗値を5Ω程度まで小さくする事も考える必要があります。
この改造が上手くいけば、製品寿命は爆上がりで間違いないと思います。
※分解・改造を行うとメーカーの保証が一切受けられなくなるだけでなく、感電、発火、爆発などの重大な事故につながる恐れがあります。
※万が一、本記事の内容を参考に作業を行い事故や損害が発生しても、筆者は一切の責任を負いかねます。必ず自己責任で作業を行ってください。