↑ ハイブリッドインバーターの待機電力についてはこちらの記事も参照してください。
まず、蓄電池からの消費電力は前回の記事で検証した通りで50W程度(HYP4850U100-H)で間違いはないと思います。
理由としては、無負荷状態の2台のハイブリッドインバーターのPV入力が計100Wを超えると蓄電池の電圧が増え始めるからです。
システム電源の優先順位としては、PV⇒蓄電池⇒ACの順ですね。
ただ、これはPV1ST設定にしている為、設定次第では優先順位が変わる可能性もあります。それらの検証は、また暇があればやってみようと思います( *・ω・)ノ
問題は、AC入力からの消費電力で、バッテリーが低電圧で使用できなくなった場合、AC入力のみの稼働になります。
この場合、システム内部がDC回路となっている為、AC⇒DCへの変換ロスが発生します。
↓ AC入力電流※負荷出力無し
AC入力電流1A、AC入力電圧100V⇒100W
↓ DC入出力電流
DC入出力電流0A(0調整できました)
ハイブリッドインバーターHYP4850U100-Hの待機電力がACの場合は100W(AC100V×1A)となり、蓄電池の場合は50W(DC50V×1A)で、蓄電池よりの商用電力で稼働する方が消費電力が大きいです。
前回は蓄電池から電力供給を受けている状態での測定値だったので、AC入力電流は0Aとなっていましたが、今回は低電圧でAC電源からシステムに電源を供給している状況での測定結果です。
また、商用電力からAC充電を行う場合の消費電力についての検証をしました。
AC充電の際も、AC入力からシステムに電力供給するようで、充電電力に上乗せされています。
↓ L1側AC充電時
電圧AC101.4V
電流9.87A
↓ L2側AC充電時
電圧AC103.1V
電流9.45A
↓ 蓄電池側充電時データ
電圧DC51.38V
電流27.86A(蓄電池1⇒10.96A+蓄電池2⇒8.73A+蓄電池3⇒8.17A)
※充電電流30A(HYP4850U100-H 設定28:15A)設定時
L1側入力電力 101.4V×9.87A⇒1001VA
L2側入力電力 103.1V×9.45A⇒974VA
AC入力電力1001VA+974VA⇒1975VA≒2000VA
充電電力 51.38V×27.86A⇒1431W≒1500W
変換損失2000VA-1500W⇒500W
≒HYP4850U100-H 1台あたりの損失⇒約250W
システムの消費電力が100Wなので、充電電力のAC-DC変換損失は150Wといったところでしょうか?( ;´・ω・`)
仕様上ではACモードの効率95%と記載がありますが、充電時の損失を見る限りでは75%ですね…待機電力だけで考えても効率90%…
何の効率なのかよくわかりません…(´д`|||)
続いて我が家の電力料金単価で考えると…
デイタイム⇒34.06円
ホームタイム⇒26.00円
ナイトタイム⇒16.11円
※令和6年4月以降の中部電力Eライフプランの単価です。
ナイトタイムに30Aの充電電流で8時間充電し、ホームタイムで8時間放電した場合、
買電消費電力は、2000VA×8時間⇒15.8kWh
充電される電力量は、2000VA×75%⇒11.8kWh
充電時の損失は11.8kWh-15.8kWh⇒-4kWh
更に放電時にハイブリッドインバーターの消費電力が2台で100W消費する為、0.1kW×8時間⇒-0.8kWh
使用できる電力は11.8kWh-0.8kWh⇒11kWh
ナイトタイムとホームタイムの金額差は26.00円-16.11円⇒9.89円で、11kWh×9.89円⇒約108円の経済効果がありますが、損失電力が-4kWh+-0.8kWh⇒-4.8kWhあるので、実際の経済効果は-4.8kWh×16.11円⇒-77円なので、108円-77円⇒1回あたり31円となります。
タイムシフトの場合は、使用する電力量が損失分増えてしまうので、4.8kWh分の燃料費調整単価や再エネ賦課金単価が余分に計量されてしまいます。
令和6年4月だと1.3円なので、-4.8kWh×1.3円⇒約6円
31円-6円⇒25円…ホームタイムを頑張ってタイムシフトしても1日1kW相当分の節約にしかなりません。
30日×25円⇒750円
蓄電池のサイクルを浪費して1ヶ月750円程度の経済効果を得るよりも、蓄電池のサイクルを30回温存して毎日1kWh程度の節電を心掛けた方が良いですね…(;´∀`)
1ヶ月750円の経済効果で、20年間約18万円となりますが、太陽光の充放電もプラスされるので蓄電池サイクルは1万回以上となり、寿命的に終わっています。
商用充電しない場合は、20年間で蓄電池サイクル7300回節約できるので、太陽光のみで充放電していれば4000回程度となるので、更に10年程は使用可能と言えます。
燃料費調整単価も5月以降はプラス水準に移行しそうですし、5月に再エネ賦課金単価が3.49円となるので一昨年並みの水準ですね…
デイタイムは34.06円-16.11円⇒17.95円
11kWh×17.95円-77円⇒120円なので、まだ良いですが、5月以降ホームタイムをタイムシフトすると燃料費調整単価次第では赤字になってしまいます。
今後は、太陽光発電容量を増やして極力買電せずに満充電できる環境にした方が節約できますね…(´д`|||)