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ハイブリッドインバーターのSOCについて(;´・ω・)まとめ

ハイブリッドインバーターのSOC判定は2通りあります。

・電圧による分割

・バッテリーのBMS

バッテリーのBMSによるSOC情報は正確と言われていますが…

実際ハイブリッドインバーターではどのようにSOCを予測しているのか…

SRNE、Lvyuan、Renogyハイブリッドインバーター共通でまとめてみました(・ω・)ノ

 

まずは、検証です♪

調査対象

Lvyuan HF2430U60-100(SRNE同等品)

※Lvyuanの新型HSI3000Uも仕様が同じなので中身は同一と推測

25.6V LiFePo4バッテリー

充電環境 一定入力による充電

放電環境 20W負荷による一定電力出力による放電

 

設定

設定9 バッテリーブースト充電電圧 28.2V

設定14 バッテリー不足電圧アラーム 25.0V

設定37 充電回復ポイント電圧 26.8V

 

検証

充電時のSOCと電圧を観察

25.4Vで10%前後

25.7Vで20%前後

26.0Vで30%前後

26.4Vで40%前後

26.7Vで50%前後

27.0Vで60%前後

27.4Vで70%前後

27.7Vで80%前後

28.2Vで90%前後

設定9の電圧(28.2V)で90%になり、28.4Vで100%になります。
※設定電圧が28.2Vに対して28.4Vまで上昇しているのは0.2Vの測定誤差でしょうかね?このあたりはよくわかりません(;´・ω・)

 

放電時のSOCと電圧を観察

設定37の電圧(26.8V)までは100%を維持します

26.8Vで90%前後ですが、この電圧を下回るまでSOCは安定しません

26.7Vで50%前後

26.4Vで40%前後

26.0Vで30%前後

25.7Vで20%前後

25.4Vで10%前後

設定14の電圧(25.0V)を下回ると50%前後になり、基準点が変わります

 

つまり、60‐100系(HF243060-100)のSOC100%の基準は、

充電時⇒設定9の電圧

放電時⇒設定37の電圧以上

 

また、SOC0%の基準は、

設定14の電圧

 

というのが、当方の見解です。


ハイブリッドインバーターの設定電圧は12Vシステム基準で考える必要があるので、
上記設定の場合

12.5V(25.0V)⇒0%

14.1V(28.2V)⇒100%

で設定されていると考えると、

0.016V(12V)刻みなので、充電時のSOC値と電圧値の関係は、

SOC:電圧(24Vモデル/48Vモデル

  0%:12.50V(25.00V/50.00V

  5%:12.58V(25.16V/50.32V

10%:12.66V(25.32V/50.64V

15%:12.74V(25.48V/50.96V

20%:12.82V(25.64V/51.28V

25%:12.90V(25.80V/51.60V

30%:12.98V(25.96V/51.92V

35%:13.06V(26.12V/52.24V

40%:13.14V(26.32V/52.64V

45%:13.22V(26.44V/52.88V

50%:13.30V(26.60V/53.20V

55%:13.38V(26.76V/53.52V

60%:13.46V(26.92V/53.84V

65%:13.54V(27.08V/54.16V

70%:13.62V(27.24V/54.48V

75%:13.70V(27.40V/54.80V

80%:13.78V(27.56V/55.12V

85%:13.86V(27.72V/55.44V

90%:13.94V(27.88V/55.76V

95%:14.02V(28.04V/56.08V

100%:14.10V(28.20V/56.40V

となります。

ここで、先に述べたハイブリッドインバーターで計測されている満充電電圧の0.2Vの測定誤差を考慮すると、検証した電圧とSOCの値が合致します。

 

満充電に達した場合、電圧が安定すると27.0V程になる為、この設定だと放電時は50%以下にならないと電圧値との整合が取れません。

また、設定14(25.0V)以下の電圧になると、整合が取れなくなりSOCが増えてしまいます。。

 

また、SOC0%の時点でもバッテリー容量にはまだ余力があり、セル電圧は3.2Vあります。

LFPの終止電圧はセル電圧2.5Vなので10V(12V)ですが、終止電圧付近の電圧降下は大きいので、

設定09:14.0V(28.0V/56.0V)

設定37:13.5V(27.0V/54.0V)

設定14:11.0V(22.0V/44.0V)

設定04:10.9V(21.8V/43.6V)

設定12:10.8V(21.6V/43.2V)

設定15:10.7V(21.4V/42.8V)

上記設定値で設定した場合、

SOC:電圧(24Vモデル/48Vモデル

  0%:11.000V(22.00V/44.00V

  5%:11.125V(22.25V/44.50V

10%:11.250V(22.50V/45.00V

15%:11.375V(22.75V/45.50V

20%:11.500V(23.00V/46.00V

25%:11.625V(23.25V/46.50V

30%:11.750V(23.50V/47.00V

35%:11.875V(23.75V/47.50V

40%:12.000V(24.00V/48.00V

45%:12.125V(24.25V/48.50V

50%:12.250V(24.50V/49.00V

55%:12.375V(24.75V/49.50V

60%:12.500V(25.00V/50.00V

65%:12.625V(25.25V/50.50V

70%:12.750V(25.50V/51.00V

75%:12.875V(25.75V/51.50V

80%:13.000V(26.00V/52.00V

85%:13.125V(26.25V/52.50V

90%:13.250V(26.50V/53.00V

95%:13.375V(26.75V/53.50V

100%:13.500V(27.00V/54.00V

この設定にした場合、60%の時点で25.0Vになります。

100%~60%までの低下に時間が掛かりますが、60%~0%までの低下にはあまり時間が掛かりません。

なので、LiFePo4バッテリーの場合はDOD80%くらいの設定がちょうど良いと思います。

 

ちなみにBMS制御の場合

48V系ハイブリッドインバーターLvyuan BAT-S48100を接続しBMS制御にした場合、設定9と11は強制的に56.0Vに設定されます。

DOD80%なので、SOC20%での電圧が51.2Vで、BMSのSOC0%基準は50.06Vじゃないかと推測しています(;´・ω・)

充電時56.0V(14.0V)⇒100%、51.2V(12.8V) ⇒20%で0.015V(12V)刻みなので、0%⇒50.06Vとなります。

しかし、満充電時の安定電圧は54.0V(13.5V)⇒100%なので、放電時は0.01V(12V)刻みになります。

BAT-S48100のBMS上では54.6Vに達した時点で99%として認識されますが、実際には77%くらいしか充電されておらず、その後ダラダラと54.6V付近を維持します。

25.6Vのバッテリーを使用していた時もそうなのですが、LFPの場合セル電圧3.4125V付近(13.65V/27.3V/54.6V)の充電時間が一番時間が掛かります。

このラインを超え満充電電圧に達すると蓄電池は100%となります。

このSOC99%が結構曲者で実際はSOC70%だとしても、この状態で放電を開始するとBMSが99%を基準に計算をしてしまうので、50%の容量を消費すると見かけ上

99%-50%⇒45%

ですが、実際には

70%-50%⇒20%

となっています。

数ヶ月BAT-S48100を使って運用してきましたが、この現象にずっと悩まされていました。

何度かファームウェアの書き換えを行っていますが解決されておらず、解決策としては100%充電をすることしかありません。

満充電によって正しくBMSのSOCが計算されるようになるのですが、ハイブリッドインバーター(SRNE系)の場合、SOC値によって充電電流を制御する仕様なので、結果的に発電量低下を招きます(;´・ω・)

結果的には蓄電池のBMSで制御するよりも、ハイブリッドインバーターの設定電圧で制御した方が発電抑制の影響が少なくすみます。

設定電圧による制御の場合、発電抑制を遅らせることができるというメリットはありますが、蓄電池の満充電時は過電圧になってしまうのでの負荷は大きいと思います。

また、SOCが低下してくると負荷の大きさによって電圧低下が大きく低電圧での管理が難しくなるデメリットがあります。

BAT-S48100の環境では上記問題によってSOC制御のメリットが生かせず、まだ上手く運用できていませんが、今のところ発電能力に対してはオーバースペックなのでSOC制御で蓄電池容量の50%運用でも間に合っています。

 

まとめ

ハイブリッドインバーターSOC100%の判定基準は、

充電時⇒設定9の電圧

放電時⇒設定37の電圧以上

SOC0%の判定基準は、

設定14の電圧

 

SOCをなるべく正確に表示させたい場合は、設定37の電圧をバッテリーの満充電電圧(LFP24Vの場合27.0V、LFP48Vの場合は54V)に設定する必要があります。

また、設定14はバッテリーの公称電圧に設定すると、BMSと同じ条件になります。

 

充電時は、設定9の電圧を満充電として、電圧値でSOCを判断しています。

放電時は、設定37の電圧を満充電として、電圧値でSOCを判断しています。

いずれも負荷の大きさで電圧が増減するので、完全ではありません。

 

設定14の設定値が0基準になっているのがハイブリッドインバーターのSOC値の不正確さを招いている原因と思われます。

設定15が0基準であれば、正確なSOC値になったのではないかと思いますが…何故このような仕様になっているのかは不明です。

設定条件が下記のようになっている以上どうしようもないですね(;´・ω・)

蓄電池の寿命を考慮したい場合は、BMS制御できる蓄電池の導入が一番良いと思いますが、直感的に蓄電池残量を把握したい場合は、やはり電圧による予測の方が確実ですね。

但し、充放電量が多いときの電圧では全くアテになりません…

 

下記はDOD80%のBAT-S48100(リン酸鉄リチウムイオン)蓄電池のSOC値と電圧値の関係

※電圧安定時の目安値です。

電圧制御の場合、SOCは目安程度であまりアテにはならないが、曖昧故に充電抑制の影響は受けにくいというメリットがある。

 

BMS制御の場合、99%以下のSOC値を放電時の電圧を基準としている為、実際のSOCが70%程度で99%となってしまう。100%まで充電しないと、実際のSOCと誤差が生じてしまい、この状態で放電するとSOC値と電圧値の整合性が取れなくなる為、100%まで満充電させることが必要。

満充電後のBMSのSOC値は正確だが、ハイブリッドインバーターを制御する場合は、充電抑制の影響を受けやすくなる欠点がある。