HF2430U60-100のインバーター出力が、100V設定の場合2500Wまでと判明したのですが、先日HF2430S80-Hがインバーター出力3300Wを超え、インバーター過負荷保護機能によりバイパス出力へ切り替わり(設定27:enabled)、今度はバイパス出力4000Wを超えたあたりで、バイパス過負荷保護機能により出力停止。自動復帰するように設定(設定23:enabled)してあったため、3分後に再起動。再起動後はインバーター出力を再開しました( ;´・ω・`)
↑ 再起動直前のインバータ出力のデータは4095W(4230VA:128%)を記録しています。
2世帯住宅の為、タイミング悪くIHクッキングヒーターが2台2口稼働したのが原因です(´д`|||)
IHクッキングヒーターの中火出力(4~5)約800W~1200W を4口使用したことにより、IH2台分で4000W以上の出力となったと思われます。
改めてハイブリッドインバーターの最大入力と最大出力について再確認してみました。
仕様
①HF2430U60-100
・インバーター出力:3000W
・バイパス出力:6000W
・PV入力:1400W
最大電流(推奨サーキットブレーカー)推奨電線
・AC最大入力電流:40A(2P63A)8sq
・AC最大出力電流:インバーター25A/バイパス40A(2P63A)8sq
・PV最大入力電流:40A(2P63A)8sq
・バッテリー最大電流:放電140A/充電100A(2P160A)30sq
②HF2430S80-H
・インバーター出力3300W
・バイパス出力6000W
・PV入力:4000W
最大電流(推奨サーキットブレーカー)推奨電線
・AC最大入力電流:30A(2P40A)6sq
・AC最大出力電流:インバーター14.4A/バイパス30A(2P40A)6sq
・PV最大入力電流:13A(2P25A)3.5sq
・バッテリー最大電流:放電135A/充電80A(2P160A)30sq
・AC最大入力の考え方
①HF2430U60-100
インバーター出力は100V設定では2500Wなので、30Aあれば充分と言えますが、AC充電最大電流は40Aなので、充電最大電圧33Vでの最大入力は1320VAとなり、バイパス出力最大電流が40Aの場合、同時に充電を行うと13.9Aが加算されAC入力電流は最大53.9 Aとなります( ゚д゚)!
ちなみに、63Aのサーキットブレーカーを推奨されていますが、国内仕様では60Aとなります。
単相2線式の汎用分電盤は主幹30Aなので、AC出力は最大30Aに抑えられます。その為、最大出力30A+13.9A→43.9Aと考えても良いです。
そもそも、インバーター出力が最大25Aなのでバイパス出力も同等で問題はありません。AC充電電流を抑えてしまえばAC入力は30Aでも十分と言えます。
AC充電に必要な電力の考え方
設定09:充電電圧(V) × 設定28:AC充電電流(A) → 充電電力(VA)
充電電力(VA) ÷ 機器損失(95%)÷ AC電圧(V) → AC充電電流(A)
例 29.2V × 10A → 292VA
292VA ÷ 0.95 ÷ 100V(90V~110V) → 3.1A
この場合のAC入力電流は、最大出力電流25A+3.1A→28.1Aなので30Aでも十分ということになります。
※充電電圧29.2V リン酸鉄リチウムイオンバッテリー8セルの標準充電電圧
※充電電流10A リン酸鉄リチウムイオンバッテリー100Ahを8時間で80%充電するのに必要な電流
マニュアル通りにする場合は最大入力電流が53.9A なので、電線はIV8sq相当以上となりますが、VVR等のケーブルで配線する場合や、配管に収める場合は、14sq相当以上の電線が必要になります。
また、基本的に露出部分の配線は、シースが二重構造のケーブルを使用しなくてはいけません。
つまり、IVやKIVでの配線はNGということです( *・ω・)ノ
また、HF系の配線口は小さく端子部も8sqしか挿入できないので、ケーブルを8sqまでに抑えるには、上記に記載したように入力電流を抑えるしか方法はありません。
サーキットブレーカーで最大入力電流を40A に抑えることで、ケーブルを8sq相当とすることができます。
最大入力電流を43.9Aとした場合、ブレーカー容量の1.1倍(44A)程度なので10分程度の最大入力であれば問題ないと思います。
ちなみに我が家の場合は、AC入力は30Aのブレーカーを設置しています。
基本的にAC充電は電力使用の少ない深夜に行うことを想定しており、バイパス出力2kW未満でも問題が無い事。また8時間かけて充電を行う為、300Ahの容量に対し充電電流は30Aで設定しておりAC充電電流は8A~9A程度になります。
日中はインバータ出力のみで、AC入力は強制的に遮断している為、バイパス出力は夜間のみとなります。
また2台のハイブリッドインバーターで負荷を分散している為、今のところ過負荷でブレーカーが遮断したことはありません。
コスパ重視であればAC入力用のサーキットブレーカーは2P1E30Aの安全ブレーカーで充分ですが、ケーブルは8sqの使用をおススメします。5.5sqでも問題はありません。
②HF2430S80-H
インバーター出力最大電流は14.4Aとあり、サーキットブレーカーは15Aあれば充分と言えます。
AC充電最大電流は80Aなので、充電最大電圧33Vで充電すると最大充電電力は2640VAとなり、バイパス出力最大電流30Aと同時に充電を行うと13.9Aが加算されAC入力電流は最大43.9Aとなります。
HF2430U60-100と同じように考えれば、インバーター出力最大電流が14.4Aなので、14.4A+13.9A→28.3A。AC入力電流は29Aと考えても良いです。
推奨サーキットブレーカーは40Aと記載されていますが、2P2E30Aの安全ブレーカーで充分ですね(*´-`*)
こちらの推奨電線は6sqとありますが、国内仕様では5.5sq相当以上となります。
AC入力なのでIVやKIV等の電線による接続はNGで、こちらも二重絶縁構造のケーブルを使用する必要があります。
・AC最大出力の考え方
①HF2430U60-100
インバーター出力は100V設定で最大2500Wなのですが、バイパス出力は最大4000Wとなります。取扱説明書にはサーキットブレーカー63A及び配線はIV8sq相当以上で指定されています。
入力側のサーキットブレーカーを40Aで設置した場合、それ以上のブレーカーを設置しても意味は無いので、AC出力側のサーキットブレーカーも40Aで充分ということになります。
我が家の場合は、インバーターで出力できない電力をバイパスで出力する事は最初から想定していないので、入力電流を30Aで抑えている以上、出力電流も30Aで良いという考えです( *・ω・)ノ
電線についてはAC入力と同じです。
②HF2430S80-H
インバーター出力は最大3300Wで、バイパス出力は最大6000Wです。
取扱説明書にはサーキットブレーカー40A及び配線はIV8sq相当以上で指定されていますが、バイパス最大出力が6000Wとしても、200Vでの出力最大電流は30Aなのでサーキットブレーカーは30Aで充分であり、IV5.5sq相当以上のケーブルで良いということになります。
また、我が家ではIHのように設定した一定出力を継続する機器に使用している為、バイパス最大出力は意味がありません。また、AC入力側のサーキットブレーカーが30Aであれば、AC出力側のブレーカーも30Aで充分ということにもなります。
定格出力はインバータ最大出力と同じなので、
102%超え(3366VA)→5分後
125%超え(4125VA)→10秒後
150%超え(4950VA)→5秒後
保護機能により出力を停止します( ;´・ω・`)
・PV最大入力の考え方
①HF2430U60-100
ソーラーパネルの開放電圧(Voc)がPV入力電圧であり、ソーラーパネルを直列に接続する場合は、特に注意する必要のある電圧となります。
ソーラーパネルに記載のVocデータは25℃での標準データで、温度によって電圧は変化するので、ある程度マージンを確保して接続する必要があります。
PV動作電圧は30V~100Vで、MPPT電圧は30V~85Vです。
基本的には、ソーラーパネルのVocをPV動作電圧範囲内で収めればよいのですが、MPPT電圧は30V以下では動作しないので、Vmp35V以下のパネルは2枚以上のパネルを直列で接続して、PV動作電圧範囲内に収まるように電圧を上げた方が良いです。
RenogyのRIV2430PCS-10Sでは動作電圧の上限が108Vまで引き上げられており、MPPT電圧も90Vまで上がっているため、最大入力電力もHF2430系よりも引き上げられています。
HF2430U60-100 PV最大入力1400W
RIV2430PCS-10S PV最大入力1600W
PV入力の保護機能
・PV入力電圧の過電圧保護
・PV入力電流の過電流保護(ソフト・ハード)
・PVヒートシンクの過熱保護
保護機能が動作した時はシステムダウンしないので、PV入力を制限又は遮断するのみと思われます。
設定36のPV充電流設定によって発電量を制限ができるため、接続するソーラーパネルの総発電量が仕様のPV最大入力電力を超える場合は、この設定でPV充電電流を制限する事でソーラーパネルの過積載が可能と思われます( *・ω・)ノ
HF2430U60-100でもRIV2430PCS-10Sでも、PV最大入力電流は40AでPV入力電流が40Aを超えれば過電流保護が働き、PV入力を遮断又は抑制します
その為、並列接続時のIscの総和が40Aを超えないようにする必要があります。
知恵袋の質問と考察
この回答が締め切られた後で思ったのですが、この質問者様の使用しているソーラーパネルのIscは13.37Aです。2枚接続では問題なく発電されていますが、3枚だと発電量が減ってしまうという原因は、3枚並列接続だとIscの総和が40.11Aとなる為、発電量を抑制されているのでは?と思いました( ;´・ω・`)?
この考察が正しければ、入力電流が40A以下に制御されるようなので、PV入力に使用する電線はIV8sq相当以上のケーブルを使用してサーキットブレーカーはDC125V40Aが必要となります。
ソーラーパネルを直列接続しPV入力電圧を上げることで、入力電流を抑えることができる為、極力PV入力電圧は高くすることをお勧めします。
※電流値が大きい程、電圧降下は大きくなるので、ケーブルを太くして電圧降下を小さくしないと、ケーブルによる損失が大きくなり発電量も減少します。
ケーブルについては耐候性のPVケーブルやH-CVケーブルを使用する方が多いですが、家屋内に引込む場合は、接続箱を設けてCVやVVRケーブルで配線した方がコストダウンできます。
我が家の場合は、パネルの設置場所が点在している為、1ヶ所あたりの入力電流を12A程度に抑え、VVF2.0-2cでハイブリッドインバーター付近まで配線し、PV入力用30Aサーキットブレーカーに集約して接続しています。
②HF2430S80-H
PV動作電圧は120V~500Vで、MPPT電圧は120V~450Vです。
PV入力最大電流は13A、PV最大容量4000W
HF2430U60-100とは違い、こちらのPV入力は48V系と同じ高電圧仕様なので、ソーラーパネルは最大電流値に注意し、直列接続で入力することになります。
※国産のサーキットブレーカーはDC250Vの定格電圧が最大で、それ以上の電圧に対しては海外製のサーキットブレーカーを使用する必要があります。
PV最大充電電流は80Aなので、最大充電電圧33Vで考えても最大2640WしかPV容量がありません。
PV最大容量は4000Wとされていますが、充電電流が80Aでカットされるので充電電圧が当方の設定している28.4Vとすると2272Wとなります…
恐らく48V系のハイブリッドインバーターのスペックをコピペしただけと思われるので、24V系のスペックは鵜呑みにしない方がよさそうです。
現状では増設するつもりもないので問題はありませんが、もし3kW発電できないという方が居たら、スペック詐欺に間違いはないと思います。
ちなみに最大電流は13AなのでサーキットブレーカーはDC250V15Aで充分ですね。
・バッテリー最大入出力の考え方
①HF2430U60-100
インバーター出力と充電電流で考える必要があり、
インバーター最大出力2500W→140A及び充電電流最大100A
IV38sq相当以上の電線とDC125V2P2E150Aのサーキットブレーカーが必要となります。
我が家では、コストを抑えるために100Aのサーキットブレーカーを使用しています。
インバーター最大出力に達した時点でバイパスへ切り替わるので、最大出力で使用し続けることは稀だと思います。
また、ブレーカーの特性上150Aの電流が流れても1分程度は遮断しません。
100Aのサーキットブレーカーで抑えている場合、IV22sq相当以上のケーブルでも問題はありません。
②HF2430S80-H
インバーター最大出力3300W→20Vの時135A及び充電電流最大100A
IV38sq相当以上のケーブルとDC125V2P2E150Aのサーキットブレーカーが必要となります。
HF2430U60-100と同じく、コストを抑えるために100Aのサーキットブレーカーを使用しています。
今のところ、何度もインバーター最大出力をしていますが、ハイブリッドインバーター側で保護機能が働くため、サーキットブレーカーでトリップしたことはありません。
・サーキットブレーカーとケーブルの選定
※サーキットブレーカーは、配線保護が目的で設置する為、ハイブリッドインバーターの入出力される電流値以上のブレーカー容量が必要となります。また、AC回路にはAC回路に対応、DC回路にはDC回路に対応、使用電圧は定格電圧以内のものから選定します。
ブレーカーの定格電圧は使用最大電圧なので、定格DC125VであればDC24Vで使用しても問題はありません。
※メーカーに確認済み
※ケーブルは、サーキットブレーカー容量以上の許容電流があるケーブルを使用。
何sqの電線を使用とか太さのみで記載することが多いですが、実際は電線の種類や亘長、周囲温度や敷設方法を考慮し、電圧降下や許容電流の補正を行って使用する電線を選定しなくてはいけません。
まとめ
ピーク時の出力はスペック通りだと思いますが、実際に使用可能かどうかで考えると過負荷出力では保護機能が動作するため、定格出力で考えると下記スペックとなります。
また、各電圧・電流等の設定値によって多少の調整が可能なので、使用環境に合わせた設定値及びブレーカーや配線の選定が必要になります。
電線サイズやブレーカー容量については、国内仕様(PSE認証品)に変更しています。
特にAC入力を接続する場合は、PSE認証品の使用が原則です。
ハイブリッドインバーター自体はPSE対象製品ではありません。
↓ 3kWハイブリッドインバーターの実用的なスペック
①HF2430U60-100
・インバーター出力:3000W
・バイパス出力:6000W→3000W
・PV入力:1400W→入力電圧と電流のバランス次第
最大電流(推奨サーキットブレーカー)推奨電線
・AC最大入力電流:40A(2P63A→2P40A)8sq
・AC最大出力電流:インバーター25A/バイパス40A→30A(2P63A→2P30A)8sq→5.5sq
・PV最大入力電流:40A(2P63A→2P40A)8sq
・バッテリー最大電流:放電140A/充電100A(2P160A→2P150A)30sq→38sq
②HF2430S80-H
・インバーター出力3300W
・バイパス出力6000W→3300W
・PV入力:4000W→~2640W(充電電流と充電電圧次第)
最大電流(推奨サーキットブレーカー)推奨電線
・AC最大入力電流:30A(2P40A→2P30A)6sq→5.5sq
・AC最大出力電流:インバーター14.4A/バイパス30A(2P40A→2P30A)6sq→5.5sq
・PV最大入力電流:13A(2P25A→2P15A)3.5sq
・バッテリー最大電流:放電135A/充電80A(2P160A→2P150A)30sq→38sq
おまけ
SmartEssに代わるアプリを探していて似たアプリを見つけました。
↑ Energy-Mate
パッと見、SmartEssと同じです。
↑ Fronus Solar
パッと見、前バージョンのSmartEssと同じです。
どちらも同じアプリ提供元なので、配信停止になればどうにもならないですね。
SmartEssの前バージョンと同じであればFronusSolarの方がレスポンスは良いかもしれません。
どちらもGoogleプレイからインストール可能ですが、実際に使用できるかどうかは不明なので、暇があれば検証したいと思います。